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「栄光への脱出」(再掲)私、イスラエル好きです。

2007/06/10 14:37

 

 イスラエル、結構好きです。だって健気じゃないですか。明治期の日本に重なって見えたり、判官贔屓もあります。

 パレスチナは元々ユダヤ人とアラブ人が混在していました。ユダヤ人がアラブ人しかいない土地に侵入して来たというのは誤解です。

 第一次中東戦争(独立戦争)(1948年)
 イスラエルが独立し、イギリスが手出しできなくなった時をみはからって、アラブ諸国がイスラエル侵攻しました。このときイスラエルの兵力は民兵だけで、開戦時には重火器、戦車も無ければ、飛行機も無い(軽飛行機が1,2機あったかな?)状態でした。以前は反英テロをしていた自警団ハガナおよびその軍事部門パルマッハ、他の準軍事組織イルグン、シュテルンがなどが戦力の主体となりました。弱体なイスラエルでしたが、必死に兵器(チェコ版のメッサーシュミットBf109他)を調達し、戦闘経験のあるヨーロッバ系ユダヤ人を核として強大なアラブ諸国に立ち向かい、勝利しました。
 後が無いイスラエルと、驕りがあったアラブ諸国との差が勝敗に結びつきました。
 ですが、これでユダヤ人とアラブ人対立が決定的になりました。当初は人口比で負けていたユダヤ人ですからアラブ人との対立は避けようとしていました。アラブ人としても、イギリスの支配から脱却しユダヤ人と共存しようと考えていた人も少なくはありませんでした。しかし、域外のアラブ諸国の介入で全てはご破算となりました。
 この戦争の結果、イスラエルの領土は増加し、多少の縦深ができました。
 この間の事情は「おおエルサレム!」(ドミニク・ラエール、ラリー・コリンズ 早川書房)に詳しく書いてあります。映画ではオットー・プレミンジャー監督の「栄光への脱出」(出演 ポール・ニューマン他)です(この映画は駄作とされていますが)。映画のテーマは名曲です。私は映画でも使われた「ハバ・ナギラ」という民族曲が好きです(ちなみにマイムマイムもユダヤの曲だとか)。

 第2次中東戦争(スエズ動乱)(1956年)
 イスラエルがスエズ運河の利権を維持したい英仏の後押しでエジプトに侵攻した戦争です。驚いた事に、アメリカとソ連が協調介入したので納まりました。
 伝統も無いイスラエル軍ですが、戦車部隊や空挺作戦を実施できるようになっていました。エジプト軍は噛ませ犬の役割を果たしてしまった訳です。

 第3次中東戦争(六日戦争)(1967年)
 アラブ側の侵攻計画を察知したイスラエルが機先を制して勝利した戦争です。空軍による地上攻撃でアラブ側の航空兵力を"地上で"破壊して、航空優勢を確保(制空権を握ったと言っても良いくらいです)して大勝利をおさめました。
 なお、このときエジプト軍のミサイル艇がイスラエル海軍の駆逐艦エイラートを艦対艦ミサイルで撃沈しました(エイラート事件)。世界の海軍に衝撃が走りました。安いミサイル艇に駆逐艦が撃破されてしまったからです。このおかえしは第4次中東戦争で果たしました。

 1972年にはミュンヘンオリンピックでアラブのテロ組織が平和の祭典であるオリンピックに攻撃し、イスラエルチームの11名を虐殺しました。この処理はうまくいかず、ドイツは大きな損害をだしました。この結果を反省したドイツは特殊部隊GSG-9を創設しました。
 多くの本が書かれ、スピルバーグ監督が映画化しました。

  第4次中東戦争(ヨム・キプル戦争)(1973年)
 イスラエルがどじり、重要な祭日、贖罪の日(ヨム・キプル)に奇襲攻撃を受けてしまいました。イスラエル兵はバスで(!)戦場に向かいました。アラブ側は、ベトナム戦争の戦訓から学び、濃密な対空ミサイル網を構築し、イスラエルの航空兵力を封じようとしました。イスラエルは地上兵力でレーダー基地やミサイル基地を破壊することで対応しました。その後の対応は見事で、内線作戦を実施して、アラブ軍を各個撃破をねらいました。まず、敵が弱いゴラン方面で勝利し、続いてシナイ半島のエジプト軍に攻勢をかけ、包囲する動きをみせたことで停戦となりました。
 イスラエル海軍はそのミサイル艇でエジプトとシリアのミサイル艇を一方的に打ち破り、エイラート事件の復習を果たしました。このとき使用されたイスラエルの対艦ミサイル「ガブリエル」が注目を浴びました。
 この戦争の結果、エジプトに変化がうまれ、キャンプ・デービット合意が生まれましたが、これに反感を抱いたアラブ勢力によりサダト エジプト大統領は暗殺されてしまいました。

 エンテベ空港奇襲作戦(サンダーボルト作戦)(1976年)
 アラブのテロリストにハイジャックされたエールフランス機がウガンダのエンテベ国際空港に着陸させられました。エンテベにイスラエルの特殊部隊を乗せたC130が夜間にこっそりと着陸し、エンテベ空港を制圧、3分の戦闘で人質を解放しました。ウガンダ兵とも交戦し損害を与えました。
 世界はイスラエルの特殊部隊の能力に驚きました。
 映画化されています。
 

 バビロン作戦(1981年)
 イラクは核兵器開発を目指しオシラク原子炉を建設していました。イスラエルは稼働前の原子炉を攻撃破壊し、イラクの核武装を防ぎました。F15に護衛されたF16が長駆、原子炉を破壊しました。イスラエルの大胆な構想に全世界が息をのみました。核不拡散が一時的にも達成され、中東のパワーバランスが保たれました。アラブと一口に言いますが、決して一枚岩ではなく、イラクの核武装が妨げられた事で安堵した国も多かったのです。
 新潮文庫に「あの原子炉を叩け!」(ダン・マッキノン)がありました。

 イスラエルは度々孤立したこともあり、兵器の独自開発に熱心です。
 フランスがミラージュ戦闘機を禁輸したためにミラージュの設計図を盗み出したと言われています。
 戦闘機ではクフィル、戦車では特異な構想に基づくメルカバ、対艦ミサイルガブリエルなどが知られています。最近では無人機も知られ、アメリカを含めた他国との共同開発も行われています。

 イスラエルの女性と話したことがあります。すごく細面で色が浅黒い美人でした。国民皆兵の国ですので、彼女も徴兵され、戦車の砲手だったそうです。

カテゴリ: 世界から  > 中東・アフリカ    フォルダ: 軍事・戦争