<< 2012年02月
12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
272829

【SF】訳がなあ・・・『彷徨える艦隊7 戦艦ドレッドノート』 

2012/02/11 15:47

 

 

【書評】

『彷徨える艦隊7 戦艦ドレッドノート』

 

 ちょっとなあと思いつつも『彷徨える艦隊』シリーズは7巻目を手にしている。

 でも「ちょっとなあ」が重なり、爆発し、原書を買ってしまった。

 そして、訳者(月岡小穂)訳の不適切さに落胆した。いや、月岡も工夫はしているんですよ、裏目なだけで。

 

 以下、目に付いたあらをあげる。

 

・元帥

ギアリーは元帥に昇進したらしい。「したらしい」と記したのは前巻の原文を見ていないから。

「ギアリー元帥」は原書では"Admiral Geary"となっている。海軍の将官は提督(admiral)と呼ばれる。丁度陸軍の将官が将軍(general)と呼ばれるように。だが、admiralもgeneralも称号だけでなく、階級も表す。アメリカの海軍元帥は平時には存在しないが、"Fleet Admiral"と呼ばれる。原書でギアリーが"Fleet Admiral"となっている箇所は一つも無い。単に"Admiral Geary"だ。ちなみに本書の「ティンバル提督」も"Admiral Timbale"でギアリーと同じだ。"general"が階級として使われるなら大将を意味する。

 解放された捕虜が、ギアリーではなく、自分こそが司令官に成るべきだと騒ぐシーンある。ギアリーが本当に元帥なら、そして、元帥のインフレが起きていなければ、先任順位の問題は起きないだろう。

 更に、原書の編制表の第一艦隊海兵隊のところにMajor General Carabali, commanding(「指揮官 カラバリ少将」)とある。だから、ADMIRAL JOHN GRARY, COMMANDINGも「司令長官ジョン キアリー大将」と解せる。ちなみにカラバリが「指揮官」となっているが、司令官が正しい。

 

 元帥は、意図的なのかもしれないが、誤訳の可能性が高い。

 

・分艦隊

 日本のミリタリーSFでは使われているようだが、「分艦隊」という言葉はあまり見たことがない。分派されるならまだしも、ずっと艦隊に留まっている分艦隊って?

原文はDivision。アメリカ海軍でも使う用語らしいが英語のWikipediaにも説明が無い。Squadronを「戦隊」と訳しているが、Divisionも戦隊で良いと考える。

 

・侵攻輸送艦

 原文はAssault transport。日本は「侵攻」という言葉を嫌うのか、アメリカ海軍のAssault amphibious shipは強襲揚陸艦と訳されている。Assault Rifleは突撃銃と訳される。なので、侵攻ではなく、これも強襲輸送艦で良いと考える。

 侵攻は意図である。強襲は方法である。意図と方法の混同はいただけない。

 

・スミス艦長

 Smithかと思ったらSmytheだった。或は発音はスミスなのかもしれない(iPod Touchの「翻訳」アプリの発音は「スマイッ」のように私には聞こえた)。でも、 翻訳家の中にはスミスと区別するために「スマイス」と表記する人もいる。

 

・特務戦隊

 原文ではTask Force。Task Forceも訳し方が難しい言葉だ。任務群かなあ。

 

・戦闘システム技術員

 腹を立て原書を買った原因がこれ。「技術員」という言葉は以前にも出ていて、違和感を抱き続けていた。「技術員」って、なんだか、民間人みたいじゃないか。

 もしかして、「技術員」って"engineer"?と思いつき、買って確認してみた。"Combat System Engineer"が原語かなと予想したのだが、ぶったまげ。単に"Combat Engineer"だった。"Combat Engineer"は「戦闘工兵」だろうが。

 軍にも"Engineer"と呼ばれる兵がいる。工兵と呼ばれる。明確に線引きはできないが、工兵には二種類ある。基地を造るような工兵と前線で障害物を爆破したりする工兵だ。後者は「戦闘工兵」と呼ばれる。

 このことから、月岡にはミリタリーSFを訳す資格が無い事が分かる。だって、工兵を知らないのだから。

 (旧帝国陸軍では、工兵の他に、航空技術兵など技術兵と呼ばれる兵もいた。土木系が工兵で機械系が技術兵かな??)

 

・ブドウ弾

 原語はgrapeshot。ブドウ弾が広く知られるようになったのはホーンブロワーシリーズの功績だと思う。英語としては古語だ。著者は意図的に採用したのだろうけど、単に散弾で良いと思う。

 

・編制表

 本書の巻頭にはギアリーの艦隊の編制表が載っている。原書に掲載されている。よく見比べてみると、内容が違う。

 日本語訳では艦種ごとに隊の番号ごとに並べてある。つまり、第二戦艦分艦隊、第三戦艦分艦、第四戦艦分艦隊、・・・、第一巡洋戦艦分艦隊、第二巡洋戦艦分艦隊、・・・といった具合だ。

 原書では SECOND BATTLESHIP DIVISION,FOURTH BATTLESHIP DIVISION,SEVENTH BATTLESHIP DIVISION,FIRST BATTLE CRUISER DIVISION, FOURTH BATTLE CRUISER DIVISION,SIXTH BATTLE CRUISER DIVISIONとなり、次にTHIRD BATTLESHIP DIVISION,FIFTH BATTLESHIP DIVISION,・・・と続く。

 つまり、原書の編制表は単なる一覧表ではなく、艦隊内の配置も示していると推測できる。編集部は情報を潰している。

 

・第一侵攻輸送艦分艦隊

 原書ではFIFTH ASSAULT TRANSPORT DIVISION。第一と第五。誤植かな?

 

・対艦攻撃艦

 原書ではHunter-Killer。『Lost Fleet wiki』(なんていうものがある! 貧弱だけど)によればHuKと略されることもある。

 Hunter-Killerは対潜水艦用に開発された戦術で、潜水艦を探すハンターが、発見すると攻撃を担当するキラーを呼び寄せ攻撃する。だから、Hunter-Killerにもそんな使い方を想定したのだろう。兵器とは当初の目論見から乖離することがままあるけれど、「対艦攻撃艦」という訳は味気ない。

 

 

 結論。編集部と翻訳者が、本書の広がりを狭め、つまらなくしている。

 

(文中敬称略)

 

 

『彷徨える艦隊7 戦艦ドレッドノート』(ジャック キャンベル 早川書房 2012)

カテゴリ: 本・アート  > 書評    フォルダ:

コメント(0)  |  トラックバック(0)

 

【書評】(聖書)「この文は偽です」『キリスト教の創造』

2012/02/02 12:42

 

 
 「この文は偽です」
 これは有名なパラドックスだ。「この文は偽です」が正しいとすると、この文は偽だということになり、となれば、正しくないことになり、となると、正しいことになって・・・。
 
 本書のタイトルは『キリスト教の創造 容認された偽造文書』。著者は『捏造された聖書』、『キリスト教成立のの謎を解く』のバート D.アーマン。
 
 本書は『キリスト「経」の創造』のほうが良かったと思う。キリスト教の教典(いわゆる「聖書」のこと)は間違いが無いことになっている。また、そう信じている、あー、白い犬を見ても黒い犬だと言うような人も多い。キリスト経には筆記ミスや改竄された文書などが含まれる。本書はその中で偽造に焦点をあてている。
 
 著者の説明によれば広義の偽造文書には以下の三通りがある。
1. 偽造とは言えないが、同名の人が書いた文。例えば聖書にはユダという人が何人も出てくる。当時は姓が無かったので時間が経てば混同されやすい。イエスを裏切ったユダとは別人のユダが、告白文書を残したとしよう。後世の人がこの告白文書はイエスを裏切ったユダのものだと誤認したとしても作者には科は無い。が、はイエスを裏切ったユダのものだと聞いて読んだ人が、そうでないと知ったら騙されたと考えるだろう。
 
2. 「偽りの著者名が冠された」文書
 これには二種類ある。
2-a. ペンネーム
2-b. 著者名を騙ったもの
 
3. 後世の人が誤って作者を同定したもの
 キリスト経では『マタイによる福音書』などがその例だ。『マタイによる福音書』のどこにも著者マタイと書かれていない(そうだ)。『マタイによる福音書』の真の作者には騙す意図は全くなかったのだが、マタイによるものでないと読者が知れば有難味は減じる。
 
 キリスト経にはこのように間違った著者名が冠された文書が多数含まれている。学者とは気の毒なもので、真実を知ってしまうものだ。キリスト経の学者なんて、キリスト教の信者が多数だろうし、信者ではなくとも、信者の圧暴力を考えれば、おぞけがつく。自身の信仰の維持と身の安全のため、なんかして「偽造」という言葉を避けようとする。が、本書の著者アーマンは違う。
 
 初期のキリスト教は多くの対立や敵があった。
 敵としては、母体であるユダヤ教や、ユダヤ教とキリスト教以外の異教。
 対立としては、キリスト教内部の宗派対立やキリスト教はユダヤ人のみの宗教とする一派とユダヤ人以外に布教すべきだという一派の対立などがある。
 以上の各々が自派が有利になるように使途の名を騙って文書り権威付けをした。勿論、「聖書」には「嘘はいけないよ」と書いてある。偽造文書の中には、「偽造文書に騙されるな」と書かれているものものあるそうだ。「偽造文書に騙されるな」と「聖書」に書かれているにもかかわらず、学者の中には、当時は偽造は悪いことではなかったと主張する人もいる。
 
 偽造の根拠は次のようなものだ。義務教育が無かった当時、イエスやほとんどの使徒は文盲だったと推定される。彼らはアラム語(おそらくアラム語だけ)を話した。なのに、キリスト経の文書はギリシア語のキリスト教教典を基に、ギリシア語の修辞法を用いて書かれている。なお、イエスが文盲だということを悲しんだ後世の人が、イエスは文字を書けたとする一文を挿入した。これは有名なシーンだ。イエスのもとに姦通罪で捕らえられた女をユダヤの指導者がつれてきた、姦通の罰はモーゼの律法では石打ち。これには罠がしかけられていた。イエスが律法に従えば、彼が説く「赦しと慈悲」に反する。放せと言えば律法に背くことになる。イエスは地面に字を書きながら「汝らの中、罪なき者、まず石をうて」(『ヨハネの福音書』8.1-8.10 古い『ヨハネの福音書』にこのエピソードは無い。本書p278によれば、文体が著しく異なるし7章から8章の流れを阻害している)。p187
 
 著者はイエスはエッセネ派だったのかという質問を受けるそうだ。『解き明かされた死海文書』(ゲザ ヴェルメシ 青土社 2011)と読み合わせると興味深い。
 
 本書p293には、イエスは実在しなかったという説が盛んに提唱されているそうだ。道理で最近、イエスの実在は確かだという言説が散見されるわけだ。
 
 
[トリビアなど]
・七十人訳聖書 72人の学者がエジプトに派遣され72日間でヘブライ語の教典をギリシア語に翻訳した。出来上がった72の翻訳は一字一句の違いも無く同一だった。p36
・パウロとセネカの往復書簡も偽造された。後世のキリスト教徒がパウロが存命中に無名だったことを悲しんだためと思われる。この中でネロもパウロに感心したとセネカが書いたことになってる。ネロの所行を考えると笑える。p108
・イエスの教えのうえに築かれた宗教ほど、争いへの傾向が甚だしい宗教は、人類史上他に例を見ない。イエスは、言葉通り、本当に剣をもたら(『マタイによる福音書』10.34)したのだ。p170
・ピラトがイエス処刑の件を皇帝クラウディウスに報告した文書も偽造された。(処刑当時の皇帝はティベリウス)p182
・(著者の考えでは)四つの福音書はいずれも一次証拠ではない。伝聞。従って、おそらく、名を冠された使徒が書いたものではない。p264
 
[ミスなど]
p256 オプラー(オプラ ウィンフリーのこと)
 
 
『キリスト教の創造』(バート D. アーマン 柏書房 2011)
 

カテゴリ: 本・アート  > 書評    フォルダ:

コメント(2)  |  トラックバック(0)

【Mac】無線環境もMac離れ

2012/02/02 02:35

 

 AirMacの新しいファームウェアアップデートがリリースされた。アップデート自体には新味は無い(ようだ)。

 が、実は、新味はある。

 

 iPad、iPhoneiPod touch用のAirMac Utilityも合わせてリリースされた。

 新しいAirMac Utilityの最初の画面はMacもiOS機器も同じ。それ以降の設定画面はMacとiOS機器では異なる。Macの方は従来の設定画面に近いタブ(といっていいのかな?)を使った画面が出てくる。iOS機器ではiOS機器の「設定」画面に類似した画面だ。慣れもあるが、Macの画面の方が使いやすい。

 

 iOS用のAirMac Utilityがリリースされたことで、AIrMacでもMac(やPC)が不要となった。

 

 

 ただ、許しがたいことに、アップデートを適用すると以前の設定が消える。私はAirMacIPアドレスを固定して使っていたのにDHCPが適用されてしまった。

 

  設定を戻したら、connection timeoutが起き、接続が切れた。が、何度か再接続したら、回復した。

カテゴリ: IT  > インターネット    フォルダ: IT

コメント(0)  |  トラックバック(0)

 

【書評】ちょっとピンボケ 『プロセッサを支える技術』

2012/02/01 11:56

 

 中途半端な本。
 
 アイザック アシモフやスティーヴン ジェイ グールドのエッセイは面白い。彼らとこの著者を比較するのも何だが、本書の著者はもう一歩の踏み込みが足りない。通り一遍の説明に終わっている。だから、多少の知識がある人にとり本書は時間の無駄でしかない。
 
 最初に気に障ったのは「キャッシュ」。「キャッシェ」が歴史的には正しい読み方(英語のcacheはフランス後のcachéから)。
 まあ、現在はキャッシュが大半だから、キャッシェは良いことにしよう。が、p087のコラム『「Out of Order」にご注意(!?)』は恥ずかしい。著者はorderには順序という意味があるが、命令とか指図という意味もある、米国などのトイレや自販機に「Out of Order」といあふだがぶら下がっているときがある、これは、列の割り込みOKの意味ではなく、「貴方の指図には従えません」という意味、つまり、故障を意味している、と書いている。
 Orderには「正常な状態」という意味もあることを知らんのか!
 
 更に悪いことに著者には基本的な事柄についても誤解がある。仮想記憶がソフトの互換性の為に産まれたと認識している(p067)。こんな本でも、我慢して読んだ自分の貧乏くささが笑える(さすが、前の方の歴史的な部分は斜め読みしたが)。
 
 RISCとCISCについての認識もおかしい。が、その前に、マイクロプログラム(またはマイクロコード)についての認識が無い。
 当時のLSIの集積技術の制約から、RISCはマイクロコードを不要にしてチップを小さくし、サイクル数を上げることで性能向上を目指した。その後微細加工技術が向上し、CISCとRISCの境界が曖昧となったのだ。
 
 Virtual MachineについてのIBMの貢献がネグレクトされている。
 
 NUMAについて言及が無い。
 
 おまけ程度にプログラムのチューニングについて書かれているが、要は、キャッシュの競合を避けようというだけ。有難味はほとんど無い。また、マルチスレッディングのチューニングに対する考察も無い。
 
 本書の記述は定性的である。もっと、定量的な記述が欲しい。また、著者が経験した苦労話の一つも書いてわしかった。40年(カバーによる)も「先端プロセッサ」とやらを開発をしてきたのではないか。(著者が守秘義務に縛られている可能性は否定しないが。)
 最近、富士通に呆れているから、富士通の技師長であった著者にも悪感情を抱いたわけではない。本書の内容が低質だからだ。
 
 索引もついているのだが、これが酷い。外人の人名は姓からでは引けない。つまり、Robert DennardはDの項目にはなく、Rの項目にあるのだ。
 
[トリビアなど]
・out-of-order実行での性能向上20~30%(p087)
・フルアダーで構成された32ビット加算器は65段程度の論理ゲートを通過する。3GHzのプロセッサだと1サイクルでは終わらない。
 
 
[ミスなど]
やや、いちゃもんモードだけど・・・。
 
p037 Intelプロセッサの命令アーキテクチャーのはじまりとなったのは「8086」という1978年に発売されたプロセッサです。(ん?「8080」は?「4004」は?)
 
p037 その後同社からは80186、80286、80386、80486と性能を向上させた(80186はデータバスを8ビットに縮小させて性能を低下されたプロセッサだと考えるが)
 
p038 x86ではロード命令やストア命令はありません。(実際はロード命令やストア命令があるのだが、ニーモニックをMOVに統一しただけだと考える。)
 
p039 XXビットアーキテクチャーという場合、メモリー空間の指定がXXビットである、ということを意味します。(XXビットアーキテクチャーとはハード的に扱えるデータの大きさをいうと考える。80186は、営業政策のためもあるが、16ビットと宣伝した。本書でも書かれているがCore-iのアドレス大きさは? 8ビットの8080のメモリー空間は256バイト?)
 
p055 数表は多くの計算人(職人)を使って作るのですが (著者の無知が知れるのだが、計算人はコンピューターと呼ばれたと書けば、本書もましになったのに。)
 
p057 電子式の最初のコンピュータはAtanasoff Berry Computer(ABC)と言われています。(Atanasoff-Berry Computerとハイフンが入るのが普通のようだ。電子式の最初のコンピュータはコロッサスだと思うよ。この人の知識収集は途中で止まったのかな?)
 
p061 TRANSARC S-2000は、毎秒6万回の加減算と2万6千回の乗算が実行できました。((ほとんど言いがかりだが)パラレルで加減算と乗算ができたのか?)
 
p067 同じプログラムを別のコンピュータでも使用できると便利ということから、実メモリーの制約無しに大きなメモリーを必要とするプログラムを動かすことができる仮想記憶 (呆れた。仮想記憶は互換性の必要から産まれた認識している。)
 
p074 (メモリー保護について) (データセグメントを実行不可に設定しておくと)データセグメントにウィルスを書き込んでそれを実行してしまうバッファーオーバーフロー攻撃を防止できます。(メモリー保護はコンピュータウィルスが存在しないころからあった。プログラムの暴走を防ぐための措置だ。)
 
p082 できるだけキャッシュの容量を大きくしたいのですが、大きなメモリーはアクセスが遅くなるという問題があります。(はあ? キャッシェの容量の制限は、チップの面積とコストによるものだと思うが)。
 
p089 (プロセッサの発熱量が増大しているので) より多くのトランジスタを使って同時に実行できる命令数を増やしたり、クロック周波数を上げたりする方向に大きくブレーキが掛かり(マルチコアは「多くのトランジスタを使って同時に実行できる命令数を増やし」ているのだが。)
 
p092 (タイムシェアリングの要求から)複数の処理を並列的に実行するMULTICS OSが開発されました。このマルチプロセスの考え方は現在では一般化しており、PCでも数十のプロセスが並列に実行されています。(著者はマルチタスクとマルチユーザーの違いを理解していない。)
 
p132-132 (G1:0(1:0は添字)などの記号の説明が無い)
 
p143 LD r1,[a]; <-メモリ上の変数aをレジスタr1に読み込み(ロード) (勿論、記法の説明は無い。)
 
p179 ハッカーに攻撃されると (勿論、ハッカーではなく、クラッカー)
 
p184 当初、これらのSIMD演算機構はマルチメディア処理用につくられたのですが (嘘。次の皮肉の方が良いかな。VP-100はマルチメディア用だったんですね! ILLIAC組曲ってあるけれど、あれはILLIAC Iだし。ILLIAC組曲はコンピュータに作曲させただけで、レンダリングはしてないはず。)
 
p244 (コラム『実は長い歴史があるSMT』でCDC6600では1台のI/Oプロセッサが10台のI/Oプロセッサをエミュレートした、これはSMTの走りと書いている。Wikipediaも"similar to modern multithreading processors"と書いている。が、CDC6600のI/Oプロセッサは一つのCPUを10のPP(を現すレジスターセット)で共有した。これはタイムシェアリングの概念だ。)
 
p294 1997年にIBMはPOWER3プロセッサにVMT方式を採用し (事実か?)
 
p249 Poor man's multiprocessor(貧乏人のマルチプロセッサ)と陰口を叩かれていました。(poor man'sのニュアンスは「陰口を叩く」とまでは行かない)
 
p272 マルチプロセッサでは int proc1,dummy1[15],proc2,dummy2[15],…とproc1とproc2の間を60バイト離せば、キャッシェラインの競合が生起しないので良いと書かれている。だが、proc1とproc2を一つのCPUで処理できるようにアルゴリズムを工夫すれば、キャッシェを無駄にすることなく、良いと思うのだが。
 
p305 図6.17 (プロセッサの中にデバイスドライバが含まれている。デバイスドライバという言葉てで何を表現しようとしているかは定かでないが、誤解を招く。)
 
p368 消費電力が小さくなれば、それだけ多くのプロセッサを一定サイズの筐体に収容できるようになり、設置スペースも小さくすることができます。(説明不足)
 
プロセッサを支える技術 果てしなくスピードを追求する世界(Hisa Ando 技術評論社 2011)

カテゴリ: IT  > インターネット    フォルダ:

コメント(0)  |  トラックバック(0)

【F-05D】富士通ソースはbuildできるか(2)

2012/01/28 18:31

 

 (承前)

 

5.上書きをしたF05D_F0001_V12で初make

 すんなり動くはずも無い。こんなエラーが出る。

 

 

build/core/base_rules.mk:78: *** Module name: libdolbymobileeffect

build/core/base_rules.mk:79: *** Makefile location: frameworks/base/media/libeffects/DolbyMobile

build/core/base_rules.mk:80: * 

build/core/base_rules.mk:81: * Each module must use a LOCAL_MODULE_TAGS in its

build/core/base_rules.mk:82: * Android.mk. Possible tags declared by a module:

build/core/base_rules.mk:83: * 

build/core/base_rules.mk:84: *     optional, debug, eng, tests, samples

build/core/base_rules.mk:85: * 

build/core/base_rules.mk:86: * If the module is expected to be in all builds

build/core/base_rules.mk:87: * of a product, then it should use the

build/core/base_rules.mk:88: * "optional" tag: 

build/core/base_rules.mk:89: * 

build/core/base_rules.mk:90: *    Add "LOCAL_MODULE_TAGS := optional" in the

build/core/base_rules.mk:91: *    Android.mk for the affected module, and add

build/core/base_rules.mk:92: *    the LOCAL_MODULE value for that component

build/core/base_rules.mk:93: *    into the PRODUCT_PACKAGES section of product

build/core/base_rules.mk:94: *    makefile(s) where it's necessary, if

build/core/base_rules.mk:95: *    appropriate.

 

 LOCAL_MODULE_TAGSという指定が必須となったようだ。frameworks/base/media/libeffects/DolbyMobileの中のAndroid.mkを覗いてみるとLOCAL_MODULE_TAGSの指定は無い。よくわからないが

LOCAL_MODULE_TAGS:= eng optional

といれてみる。同じエラーがでた。どうやら、LOCAL_MODULE_TAGSを挿入する場所に制約があるようだ。include $(CLEAR_VARS)の後ろに入れたら、buildが進んだ。

 

6. ACONFIGURATION_NAVIGATION_MOUSEが未定義

 すんなりbuildが終わるはずも無く、次のエラーがでた。シンボルACONFIGURATION_NAVIGATION_MOUSEが未定義となった。frameworks/base/include/utils/ResourceTypes.hの874あたりを見てみる。

 

        NAVIGATION_WHEEL  = ACONFIGURATION_NAVIGATION_WHEEL,

        /* FUJITSU:2011-09-22 start */

        NAVIGATION_MOUSE  = ACONFIGURATION_NAVIGATION_MOUSE,

        /* FUJITSU:2011-09-22 end */

となっている。NAVIGATIONのMOUSEは未定義で、WHEELは良いのか!

 NAVIGATION_WHEELで検索すると、結構引っかかる。 .hのどれかにACONFIGURATION_NAVIGATION_MOUSEを入れれば良い。探してみる。

frameworks/base/native/include/android/configuration.hに

 

 

    ACONFIGURATION_NAVIGATION_WHEEL  = 0x0004,

/* DANGUN START */

    ACONFIGURATION_NAVIGATION_MOUSE  = 0x0005,

/* DANGUN END */

WHEELが4なら、MOUSEは5だろと書いてみた。

 

 

 結果オーライだ。

 

7.mRefが未定義

 次のエラーは

frameworks/base/libs/utils/RefBase.cpp:289: error: 'mRefs' was not declared in this scope

該当行は

weakref_impl* const refs = mRefs;

 

weakref_implで検索をかけると、

/Volumes/aOSs/F-05D/gingerbread/frameworks/base/include/utils/RefBase.h

が見つかった。ここには

 

    /* FUJITSU:2011-11-26 start */

    //weakref_impl* const mRefs;

    weakref_checker* const mChecker;

    /* FUJITSU:2011-11-26 end */

こんなのがある。あれ!mRefsがコメントアウトされている。富士通のことだからと、mRefsのコメントを外し、mCheckerの方をコメントアウトした。すんなり通るよ(笑)。これが富士通品質。
 
だが、まだまだ、終わらない。
「【F-05D】富士通ソースはbuildできるか(3)」に続く。

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリ: IT  > インターネット    フォルダ: IT

コメント(0)  |  トラックバック(0)

 

【F-05D】富士通ソースはbuildできるか(1)

2012/01/26 10:29

 

 F-05Dのソースは(申し訳程度ながら)公開されている。MacでBuildして見ようじゃないのと、初心者にもかかわらず、大それた試みをしてみた。

 

1.事前準備

1-a.Androidのサイト(*1)の指示に従って、repoなどのツールを落としたり、.bash_profileの設定などをしておく。

(*1 http://source.android.com/source/initializing.html)

1-b.Androidのサイト(*2)の指示に従って、F-05Dと同じレベルのソースを落としておく。

 ブランチはandroid-2.3.5_r1。

(*2 http://source.android.com/source/downloading.html)

 

1-c.Androidのサイト(*2c)の指示に従って、

(*2c http://source.android.com/source/building.html)

 

2.環境設定をしておく。

 Androidのサイト(*3)の指示に従って、環境を設定しおく。
(*3 http://source.android.com/source/building.html)
 

 

3.F-05Dのソースをサイト(*4)から落とし、展開する。

(*4 http://www.fmworld.net/product/phone/sp/android/develop/)

 F-5DのソースはF05D_F0001_V12.tar.gz。Mac OSXだとダウンロードが終わるとgzを解凍してくれる。F05D_F0001_V12.tarをダブルクリックして展開する。

 

4.試しにmakeしてみる。

 ターミナルからcdコマンドで、F05D_F0001_V12.tarを展開してできたF05D_F0001_V12ディレクトリーに移動する。ディレクトリの中はスカスカだ。ターミナルからmakeと打ってみる。勿論エラーになる。だって、Makefileが無いのだから。1-b.で落としたファイルの中からMakefileをコピーして、再度、makeを出してみる。

 またまた、エラーになる。だって、buildが無いのだから。

 

 ということなので、1-b.で落としたbuildをコピーしてmakeをし直すが、だめ。

 

 どうしようか。

 そうだ、2.のandroid-2.3.5_r1の上にF05D_F0001_V12上書きしてみよう。

 

4.cpで上書きする。

 Snow Loepardまでは同じ名前のフォルダをコピーすると上書きされた。Lionでは統合してくれるが、ファイル名がぶつかると新しいものを残す。これはちょっとまずい。cpを使ってコピーする。

 

 

さて、満を持して(2)に続く。

 

 

  

 

カテゴリ: IT  > インターネット    フォルダ: IT

コメント(0)  |  トラックバック(0)

 

【Android】Panaも悪い。ベストはSharp 携帯各社のオープンソース

2012/01/25 16:41

 

 そうそう、パナソニックも携帯を作っていた。で、オープンソースをダウンロードを試みたところ、携帯のIMEI番号の入力を求められた。

 しかも悪いことに、もし、P-666Wという機種を持っていたとしよう。このIMEI番号でダウンロードできるのはP-666Wのソースだけ。他機種のソースはダウンロードできない。

 

 非常にケツの穴がちいさいパナだ。

 

 

(2012/01/20 19:30)

 F-05Dの取扱説明書に「オープンソース」という項目があった。そこで、NEC、Sharp、富士通のオープンソースのページを訪ねてみた。一番親切なのはSharpだった。

 

1.Sharp

 Sharp(https://sh-dev.sharp.co.jp/android/modules/driver/)はJN-DK01という開発用端末を売っていた。JN-DK01用に充実している。ただし、既に販売終了しているJN-DK01用なのでページの内容が陳腐化している。ページには

repo init -u git://android.git.kernel.org/platform/manifest.git -b android-1.6_r2

を打てとあるが、打ってもデータは落ちてこない。

repo init -u https://android.googlesource.com/platform/manifest -b android-1.6_r2

と打つ。

 

2.NEC

 Appleを敵視しているのだろうか。

 オープンソースへのページにはN-04Cの取扱説明書に書いてあるURL(

http://www.n-keitai.com/guide/download/

)から行ってみた。「FOMA オープンソース」という項目に「機種を選択してください」というドロップダウンリストがあるので、「MEDIAS N-04C」を選んでみた。画面が変わらない。他の「N-01C」などでもだめ。SafariだからだめなのかとFireFoxでやってみたら、変わった。"N-04C upgrade"を選択してみたら、ダウンロードページに移動した。ただし、移動したページはN-04C専用ではなく、他機種の名前も並んでいる。前のページでN-01Cを選択しても同じページに移動する。まあ、将来に備えているのだろう。

 N-04C upgradeを選ぶと専用ページに飛ぶ。そこには構築手順書 readme_j.txtがある。これを見ると、android.googlesource.comからではなく、Code Aurora Forum(www.codeaurora.org)より「Base環境」をダウンロードすることになっている。

 

3.富士通

 富士通はあっさりしたもので、ライセンスの同意など必要なチェックの後、ソースのダウンロードボタンが出てくる。SharpもNECもコンポーネントごとの分割ダウンロードだが、富士通は全部まとめて。他社にはあるreadmeや構築ガイドは無い。

 

 

 ということで、富士通が一番、不親切だ。

 

 あーあ、MEDIAS LTE N-04Dが2011/12発売だったらな。

 

カテゴリ: IT  > インターネット    フォルダ: IT

コメント(0)  |  トラックバック(0)

 

【F-05D】Poorな富士通のオープンソース

2012/01/22 13:12

 

 富士通が公開しているF-05Dや、その兄弟機ISW11FのオープンソースをダウンロードしてBuildしようとしているのだが、うまくbuildできない。

 

 auのISW11Fについては2011/12/17 と2012/01/05付けのソースが公開されている。この両者のdiffをとって呆れた。

 富士通は開発環境を統一していないようだ。というのは、同一ソースにWindowsの改行コード(crlf)とunixの改行コード(lf)が混在している。

 

 そして、ファイル名にBTHEAL~1.JAVのようにチルダ(~)が含まれるものがある。おそらく、これはWindowsでのファイル名の互換性を保つため、ロングファイル名を8.3形式に短縮したものだろう。ちなみに12/17版ではBTHealthManagerControl.javaなのだが、これに修正が入った01/05版ではBTHEAL~1.JAVに潰れている。

 

 Androidの開発はLinuxが推奨されている。また、開発で使用されるファイルシステムは大文字と小文字を区別するものに限定されている。つまり、BIG.txtとbig.txtが同一ファイルであるようなファイルシステムでは開発できない。なのに、Windowsの8.3形式のファイル名は全部大文字だ。

 

 LinuxでのWindowsファイル名の扱いはよく知らないのだが、

import BTHealthManagerControl

と書いたら、BTHEAL~1.JAVを読み込んでくれるのか?

 

 富士通はF-05DやISW11Fのソースをtar.gzで公開している。tar形式なら、Unix系のホストから作成したと考えるのが普通だろう。以前にも書いたが富士通には「オープンソースだから、ソースは公開すりゃあ、いいんだろう」という姿勢が見てとれる。残念だ。

 

 

カテゴリ: IT  > インターネット    フォルダ: IT

コメント(0)  |  トラックバック(0)

【F-05D】SIMフリーのメリットと修理の危険性

2012/01/20 10:30

 

 F-05Dの最大のウリはXiだ。さしあたって、Xi(即ちLTE)を提供しているのはドコモだけ。だから、わざわざ3,150円(税込み)を払ってまで、SIMフリーにするメリットは無いと思うだろう。

 が、違う。あるのだ。

 中古携帯の買い取り業者の中には、SIMフリーだと4,000円高く買い取ってくれる業者がある。

 

 閑話休題。

 

 先日、F-05Dの画面が点かなくなった。電源投入時には点くのだが、その後消えてしまう。電話の受信はできるし(電話がかかってくると画面は明るくなり操作はできる)、メールも受信できる、USBで接続するとMacからF-05Dに入れる。だから、画面が明るくならないだけで、動いてはいるのだ。

 

 暖かいし、電池の消耗が速いようなので、何かソフトが暴走しているようだ。不要なwidgetを削除していたときにこうなったので、何が不整合ができてしまったのだろう。LOST.DIRに多量のファイルがあることもこれを裏付ける。

 

 いろいろやったのだが、知識不足の悲しさ。復旧できなかった。仕方なくショップへ持って行った。

 ショップは最初修理に出そうととしたのだが、症状を縷々説明したところ、リセットの承諾を求められた。端末のリセットには客の承諾が必要なのだそうだ。修理だと10日ほどかかるというので、だめもとでリセットしてもらった。

 

 画面が点くようになり、復活した。

 

 リセットするとき、担当者は電源キーとメニューキーを押していた。この二つだけだとセーフモードに入るだけなので、他にも何か押してるのだろう。Googleしてみたら、2ちゃんねるに、電源キー、メニューキーと戻るキーを押せばよいと書いてあった。これは以前にも試したのだが、電源が切れるだけだった。

 

 そのとき、ひらめいた。

 F-05Dは電源キーを押し続けると電源が切れる。以前失敗したのは電源キーを長押ししすぎたのではないか? F-05Dがブルブルしたところで、指を離してみた。2ちゃんねるに書かれているようにPCのBIOS様の画面が出てきた。高精細の画面なので字が小さい。虫眼鏡は必須だ(嘘)。ブロックカソールはヴォリュームアップキーで上に、ヴォリュームダウンキーで下に移動する。決定は電源キーだ。

 

 さて、閑話休題からもどろう。

 話はSIMフリーに戻る。リセットされたF-05DはSIMフリーではなくなっていた。それはそうだろう。ドコモはSIMフリーにするとき金を取っている。リセットすればSIMフリーになるのなら、収入の道を塞いでしまう。

 

 金を払ってまで、SIMフリーにする人は少ないだろう。まして、Xi対応の機器では。だから、SIMフリーに戻すところまでショップの気は回らない。もしかしたら、修理も同様かもしれない。

 

 SIMフリーにした人は端末の修理には気をつけて!!

 

カテゴリ: IT  > インターネット    フォルダ: IT

コメント(0)  |  トラックバック(0)

【F-05D】商売下手な富士通

2012/01/18 19:31

 

 F-05Dは2011/12/17の発売日に買った。

 

 やっと、富士通から「Arrows×EXILE」のケースが届いた。このケースはArrowsシリーズの記念品で応募すれば貰えた。応募したのは、確か12/25前後。

 

 以前にも書いたが、少しヘマをして手際よくリカバリーするのが、高評価につながのだが、また、富士通は高評価を逃した。

 

 新しいものは滑りやすい。F-05Dも同様だ。さらに、F-05Dを買った人の多くにとって、大きさは以前の携帯より大きくなっているのに、薄く軽量になっている。だからハンドリングミスで落っことすこともあるだろう。1、2回落として、「ああ、傷がつかないで良かった」という経験をした直後にケースが届けば、「うれしい」と感じる。20日から発送すれば、購入者に喜ばれただろう。

 

 私がネットでケースが届いたという報告を見たのは正月になってから。なるほど、お年玉にしたのかと思った。私のももうじきかなと思った。

 

 だが、それから更に2週間も経ってから届いたのでは、ありがたみは無い。

 

 富士通に対しては辞書にしろ、ドジでスローモーな会社という印象が残った。

 

カテゴリ: IT  > インターネット    フォルダ: IT

コメント(0)  |  トラックバック(0)